「自動バックアップがあるから大丈夫」と思っていても、保存先や復元方法を聞かれると答えられない。WordPressを運営し始めたばかりの方には、そんな状態もあるのではないでしょうか。
備えを確かめる質問は、「昨日の状態へ戻すには、何を使って、誰が作業するか」です。この記事では、レンタルサーバーに設置したWordPressを対象に、保存するもの・保存方法・復元前後の確認を整理します。WordPress.comのプラン別機能を解説する記事ではありません。
先に押さえる3つのポイント
- サイト全体の復旧には、基本的に「ファイル」と「データベース」の両方が必要。
- 保存日時・対象・保管先・復元方法をセットで確認する。
- 復元で失われる新しい更新や受付情報がないか、実行前に整理する。
初めての方は、まず契約中のサーバーのバックアップ画面を開き、取得済みデータを確認するところから始めましょう。
10分でできるバックアップ点検
- 最新の成功日時を確認する。
- ファイルとデータベースの両方が対象か確認する。
- 保存先が同じサーバーだけになっていないか確認する。
- 復元手順の公式ページを開ける状態にしておく。
- 本番へ戻す前に、失われる可能性がある更新・注文・問い合わせを確認する。
更新作業の直前なら、WordPress更新前チェックリストも続けて確認してください。バックアップは「あるか」だけでなく、いつの・何が・どこにあり・どう戻すかまで説明できる状態を目標にします。
1.保存するものは「ファイル」と「データベース」
WordPressの画面は、ファイルとデータベースを組み合わせて表示されています。公式資料でも、一般的なサイト全体の復元には両方が必要と説明されています。片方の保存だけで、サイト全体を戻せるとは考えないようにしましょう。出典:WordPress公式「Backups」
| 保存対象 | 主な内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| ファイル | WordPress本体、テーマ、プラグイン、アップロード画像、設定用ファイルなど | 画像だけでなく、必要なフォルダや設定ファイルも対象か |
| データベース | 記事本文、固定ページ、コメント、各種設定、ユーザー情報など | 対象サイトのデータベースが保存されているか |
| サイトの外で管理する情報 | 外部予約サービス、メールサービス、ドメインの契約情報など | WordPressの保存対象に含まれると決めつけず、それぞれの管理先を確認する |
ファイルの保存では、特に画像・テーマなどを含むwp-contentや、接続設定を含むwp-config.phpの扱いを確認します。通常、WordPressのフォルダをダウンロードしただけではデータベースは保存されません。手動で作業する場合も、データベースを別途保存する必要があります。出典:WordPress公式「Backing Up Your WordPress Files」
「ツール→エクスポート」だけでは足りない
WordPress標準のエクスポートは、記事などのコンテンツをXML形式で移すための機能です。テーマやプラグインのファイルは含まれません。記事の控えとして役立つ場面はありますが、サイト全体のバックアップと同じものではありません。出典:Learn WordPress「Tools: Import and Export」
2.保存方法は「戻すときの操作」まで見て選ぶ
主な選択肢は、サーバーの機能・バックアップ用プラグイン・手動保存です。WordPress公式の学習資料でも、これらの方法が紹介されています。出典:Learn WordPress「How to backup your site」
| 方法 | 選ぶ前に確認したいこと | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| サーバーのバックアップ | 取得日、保存対象、保持期間、ダウンロード方法、復元手順 | 契約しているだけで必要なデータが揃っていると思い込まない |
| バックアップ用プラグイン | ファイル・DBの対象範囲、保存先、自動実行、復元に必要な条件 | 無料で保存できても、必要な復元機能や保存先が同じ条件で使えるかは別途確認する |
| 手動保存 | 正しいサイトのファイルとDBを選べるか、戻す手順が分かるか | ファイルだけをコピーして完了にしない |
初心者の方には、まず現在の契約で何が使えるかを整理する進め方を提案します。不足が分かってから、プラグインや外部保存を検討すると、役割の重複を減らせます。
料金の確認は「バックアップ機能あり」の表示だけで終えず、取得・保存容量・ダウンロード・復元・作業代行のどこに費用がかかるかを分けて行いましょう。具体的な料金や機能は、利用するサービスの最新公式案内を優先してください。
3.初めてのバックアップ確認は、この順番で進める
ここで行うのは保存状況の確認です。まだ本番サイトの復元ボタンを押す必要はありません。以下は特定サービスの画面操作ではなく、YOHAKU SELECTが提案する確認の順番です。
- 対象サイトを特定する。サイトURL、サーバー契約、対象のデータベースを確認します。複数サイトがある場合は、名前だけで判断しないでください。
- 取得済みデータを見る。設定が有効かだけでなく、最後に成功した日時と保存対象を確認します。
- 不足している対象を整理する。ファイル・データベースの片方が欠けていないか、除外設定がないかを確認します。
- 別の保管先への保存を確認する。ダウンロードや外部保存が使える場合は、実際に保存が完了したかも確かめます。
- 復元手順を控える。公式の手順URLと、必要な管理画面に入れるかを確認します。
ダウンロードしたファイルが存在することや、エラー表示がないことは確認の入口です。それだけで復元成功が保証されるわけではありません。検証用の環境を用意できる場合は、本番と区別して復元を試す計画も立てましょう。
4.頻度は「何日分なら失っても対応できるか」で決める
毎日記事を更新するサイトと、月に一度お知らせを変更するサイトでは、必要な備えが異なります。WordPress公式でも更新頻度などに応じた判断が案内されています。また、本体・テーマ・プラグインの更新や移行の前、大きなコンテンツ変更の後は、バックアップを確認する機会です。参考:Learn WordPressのバックアップ案内
判断例:毎日お知らせを追加するなら、日次保存を出発点として「次の保存までに失われる記事を作り直せるか」を考えます。予約や注文をサイト内に記録する場合は、同じ頻度で十分とは限りません。受付件数や再確認の手間を踏まえ、担当者・提供会社と相談してください。この例は一律の推奨頻度ではありません。
最新の1回分だけでなく、異常が起きる前の状態を選べるよう、複数時点の保存も確認します。ファイルとデータベースは、対応する時点の組として管理することが大切です。参考:WordPress公式のバックアップ管理
5.保存先は、サイトと一緒に失われない場所も用意する
WordPress公式の学習資料は、Webサーバーと別の場所にもバックアップのコピーを保管する方法を案内しています。同じサーバー内だけでなく、利用可能なクラウドストレージや手元の保管先を検討しましょう。出典:Learn WordPress「Store a copy on cloud storage services」
保管ルールとして、次の3点を決めておくと確認しやすくなります。
- 誰が開けるか:閲覧権限を必要な担当者に限定し、公開共有リンクを作らない。
- どれがどのサイトのデータか:サイト名・取得日時・対象を記録する。専用ツールが使うバックアップファイル名は不用意に変更しない。
- いつ見直すか:保存容量、取得失敗、担当者変更、古いデータの整理を確認する日を決める。
バックアップには設定やユーザー情報などが含まれます。記事の添付ファイルとして公開したり、サポート相談のために内容を丸ごと公開掲示板へ載せたりしないようにしてください。
6.復元前は「戻る範囲」と「戻すと消える変更」を確認する
たとえば月曜のバックアップへ戻す場合、火曜に追加した記事や、その後にサイト内へ記録された情報をどう扱うかも考える必要があります。以下は作業計画用の確認表です。実際の上書き範囲や操作順は、使用するサービスの公式手順で確認してください。
| 確認項目 | 決めておくこと |
|---|---|
| 発生した問題 | いつから、どのページ・機能で、何が起きたかを記録する。 |
| 復元する時点 | 問題発生前の候補を選び、ファイルとDBの対応を確認する。 |
| その後の変更 | 記事・画像・設定・サイト内の受付情報など、別途保全や再反映が必要なものを整理する。 |
| 作業中の受付 | 更新や注文・予約が発生するサイトは、受付をどう扱うか担当者と決める。 |
| 対象と影響 | サイト単位か、DB単位か、同じ契約の別サイトにも影響するかを確認する。 |
| 失敗した場合 | 現在の状態の保全、連絡先、作業を中断する条件を決める。 |
改ざんや不正アクセスが疑われる場合は、以前の状態へ戻すだけで解決したと判断せず、提供会社や保守担当へ相談してください。原因や侵入経路、バックアップ自体の状態を含めた対応が必要になるためです。
復元後はトップページ以外も確認する
- ログアウトした状態で、トップページ・代表的な記事・画像を開く。
- スマホとパソコンで、メニューや主要リンクを確認する。
- 管理画面に入れるか、必要な設定が戻っているかを確認する。
- 問い合わせフォームなどを設置している場合は、テストと分かる内容で送受信を確認する。
- 復元した日時、確認結果、まだ直っていない点、再反映した変更を記録する。
フォームの送信に問題が残る場合は、WordPressの問い合わせフォームが届かないときの確認手順で、表示とメール到達を分けて調べてください。
7.そのまま使えるバックアップ記録テンプレート
以下は当サイト作成の管理用テンプレートです。自分用のメモや管理表へコピーして使えます。パスワードやバックアップの公開リンクは記入しないでください。
対象サイト:
管理担当者:
保存方法・利用サービス:
最後に取得が成功した日時:
対象:ファイル[確認済み/未確認]・DB[確認済み/未確認]
除外されているもの:
保管先(公開リンクを書かない):
保持期間・保存世代数:
復元手順の公式URL:
復元時の費用・条件:
復元テスト[未実施/実施済み]:
テスト日時・環境・結果:
次回確認日:
未解決の点と問い合わせ先:
「保存できた」と「復元を試した」は別の欄にします。テストをしていなければ未実施と残して構いません。状況を正確に残す方が、困ったときに引き継ぎやすくなります。
よくある質問
サーバーに自動バックアップがあれば、プラグインは不要ですか?
一律には決められません。保存対象・保持期間・外部保管・復元方法が自分の運用に合っているかを先に確認します。不足を補う目的で追加を検討し、役割が分からないまま複数の仕組みを増やさないようにしましょう。
無料でバックアップできますか?
追加料金なしで使える機能があるかは、サーバー契約や使用するツールによります。保存時だけでなく、復元時の費用・容量制限・外部保存の条件まで確認して判断してください。
バックアップを取ったら、すぐ復元して試してもいいですか?
本番で試す前に、上書きされる範囲やその後の更新を整理してください。復元テストは、本番と分けた検証環境で行えるかを先に検討します。環境の区別や対象データが分からない場合は、管理担当者や提供会社に確認しましょう。
今日やることは、保存状況を1行で説明できるようにすること
最初から複雑な仕組みを作る必要はありません。まずは「いつの・何のデータが・どこにあり・どう戻すか」を調べ、分からなかった箇所を記録してください。その記録が、次に整えるべき備えになります。
定期確認に組み込みたい方は、ホームページ運営の月次メンテナンスチェックリストも活用してください。不正アクセス対策の考え方は、WordPressのセキュリティプラグイン比較で確認できます。
参考資料・この記事の確認範囲
- WordPress公式:Backups
- WordPress公式:Backing Up Your WordPress Files
- Learn WordPress:How to backup your site
- Learn WordPress:Tools: Import and Export
公式資料の確認日:2026年9月8日。この記事は公式資料に基づく一般的な解説と、当サイトが提案する確認表・記録例で構成しています。個別のサーバーやプラグインについて、当サイトで復元試験を行ったという体験記事ではありません。操作画面・提供条件は変更されるため、実作業では利用先の最新公式手順を確認してください。
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