ホームページに使う写真・画像の著作権基礎知識|フリー素材サイトの正しい使い方と失敗事例

濃紺の背景に『規約の違いと肖像権に注意』の文字とAI・Webサービスのカテゴリータグを配置した、いらすとや・写真AC・ぱくたその商用利用規約の違いと、自分で撮った写真に潜む肖像権・商標トラブルへの注意点を解説する記事のアイキャッチ画像 ホームページ制作・運営

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ホームページの写真・画像で失敗したくない方へ
ホームページに使う写真・画像の著作権基礎知識

「フリー素材だから」と思ってダウンロードした画像や、自分のスマホで撮った店舗・スタッフの写真をそのままホームページに使っていませんか。フリー素材サイトは「無条件で自由に使える」わけではなく、著作権は放棄されず、サイトごとの規約の範囲内での利用許諾に過ぎません。この記事では、いらすとや・写真AC・ぱくたその規約の違いと、自分で撮った写真でも注意すべき点を整理します。

3大フリー素材サイト比較自分で撮った写真の注意点著作権法の引用ルール
結論
「フリー素材」は無条件で自由ではありません。規約確認と自分撮影時の注意点、両方が必要です

フリー素材サイトの多くは、著作権を放棄しているわけではなく、規約の範囲内で無料利用を許諾しているだけです。商用利用可否・クレジット表記の要否・禁止事項はサイトごとに異なります。また、自分で撮影した写真であっても、店舗ロゴや商標の映り込み、スタッフ・来店客の肖像権など、著作権とは別の注意点があります。以下、それぞれ具体的に見ていきましょう。

「フリー素材」と「著作権フリー」は違う

「フリー素材」という言葉から「著作権が放棄されていて、何をしても自由」と誤解している方は少なくありません。しかし実際には、著作権者が著作権を保持したまま「規約の範囲内であれば無料で使ってよい」と利用を許諾しているだけのケースがほとんどです。

例えばぱくたそは、自らの規約で「無料・ロイヤリティフリーですが、『著作権フリー』でも『CC0(著作権を放棄し誰でも自由に使える状態)』でもありません」と明記しています。いらすとやも、著作権はイラストレーターのみふねたかし氏に帰属したままで、加工・編集は規約の範囲内で認められるものの、著作権そのものの譲渡・移転はないとしています。

つまり、フリー素材サイトを利用する際は、次の3点を必ず確認する必要があります。

  • 商用利用してよいか(個人利用のみ可、法人は不可等の条件がないか)
  • クレジット表記が必要か
  • 禁止されている使い方は何か(再配布・商品化・点数制限等)

主要フリー素材サイト3社の規約比較

ホームページ制作でよく使われる「いらすとや」「写真AC」「ぱくたそ」の3サイトについて、公式利用規約(2026年9月5日確認)をもとに主要な条件を比較しました。

項目 いらすとや 写真AC ぱくたそ
商用利用 規約範囲内なら可(個人・法人問わず) 可(広告・印刷物・ホームページ等の構成要素として使用可) 可(ただし素材をほぼそのまま販売する「商品化」は不可)
クレジット表記 規約本文に明示的な義務の記載は見当たらない ダウンロード利用者への義務記載はない(アップロード側の表記は逆に禁止) 二次配布・書籍装丁を除き必須ではない(配慮としての表記は推奨)
点数・ダウンロード制限 1つの商用デザインで21点以上使う場合は有償対応が必要(重複はまとめて1点)。Canva上で完結する資料は点数制限なし 無料会員は1日10点以上のダウンロード不可。Small以外のサイズ(Medium/Large/PSD)は1日2点以上のダウンロードができない(実質上限1点/日) 明確な点数上限の記載は確認できず
主な禁止事項 公序良俗違反、攻撃的・差別的・性的・過激な利用、反社会的勢力・違法行為関連、素材を主体とした商品・コンテンツの再配布・販売(LINEスタンプ等) 人物特定可能写真のポルノ・違法目的や「お客様の声」的な推奨者表示への使用、独立した取引対象としての頒布・再配布、素材を主要コンテンツとした製品化、商標登録・独占権の主張、AI開発・学習用データとしての利用 知的財産権侵害、システムへの過度な負荷・自動収集、他ストックフォトサービスへの提供、直接リンク、公序良俗違反、アダルト・出会い系・宗教勧誘等
不正利用時の対応 規約本文に具体的な請求額の記載は確認できず 規約本文に具体的な請求額の記載は確認できず 不正利用の使用料金として素材1枚あたり3万円/日(上限30万円)を規約に明記
規約は変更されることがあります

上記は2026年9月5日時点で各社公式サイトを確認した内容です。ぱくたその規約本文には「最終更新日:2026年8月27日」と明記されています。実際に利用する前には、必ず各サイトの最新の利用規約をご自身で確認してください。

いらすとやを使うときの注意点

いらすとやは規約の範囲内であれば個人・法人・商用・非商用を問わず無料で利用できますが、以下の点に注意が必要です。

  • 21点ルール:1つの商用デザイン(1つのホームページ、1つのパンフレット等)で素材を21点以上使用する場合は、有償での対応が必要になります。同じ素材を複数箇所で使う場合は重複としてまとめて1点とカウントされます。
  • Canva提携:Canva上でのみ完結する資料であれば、商用目的でも点数制限なく利用できます。
  • 著作権帰属:著作権は放棄されておらず、著作者のみふねたかし氏に帰属したままです。加工・編集は規約範囲内で可能ですが、著作権そのものの譲渡・移動はありません。
  • 禁止事項:公序良俗に反する利用、素材のイメージを損なう攻撃的・差別的・性的・過激な利用、反社会的勢力や違法行為に関連する利用、素材を主体とした商品・コンテンツとしての再配布・販売(LINEクリエイターズスタンプ等を含む)は禁止されています。

写真ACを使うときの注意点

写真ACはダウンロード後、商業目的かどうかを問わず自由に改変・編集・使用でき、広告・印刷物・ホームページ等のマルチメディアコンテンツの構成要素として使うことができます。ただし以下の点は見落としやすいポイントです。

  • 無料会員のダウンロード制限:無料会員は1日10点以上のダウンロードができません。またSmallサイズ以外(Medium・Large・PSD)は「1日2点以上ダウンロードできません」と規約に明記されており、実質的に1日1点までしかダウンロードできません。Smallサイズより大きいサイズが必要な場合は、この上限に注意してください。
  • モデルリリース未保証:特定できる人物を含む写真について、写真ACは書面によるモデルリリース(肖像使用の同意書)を義務付けておらず、人物の承諾なく使用できることを保証しない旨を明記しています。人物が写った素材を使う場合は、この点を理解した上で判断する必要があります。
  • 第三者権利の確認は自己責任:一部の写真が第三者の著作権・商標権等の対象となる可能性があり、権利確認は利用者の自己責任と規約に明記されています。
  • 禁止事項(主なもの):人物特定可能写真をポルノ・違法・不道徳目的や「お客様の声」的な推奨者表示に使うこと、素材をそのまま・加工して独立した取引対象として頒布・再配布すること、素材を主要コンテンツとした製品化・テンプレート配布サービスへ組み込むこと、商標登録・独占権を主張することは禁止されています。
  • AI学習利用の禁止:写真ACに掲載された写真を、AI開発・学習用データとして利用することは禁止されています。これは利用者側がAIで生成した画像を使う話とは別に、写真AC自体が定めているアップロード素材の保護ルールです。

ぱくたそを使うときの注意点

ぱくたそは「無料・ロイヤリティフリー」ですが「著作権フリー」でも「CC0」でもないと明記しており、商用利用は可能なものの、素材をほぼそのまま販売する「商品化」は禁止されています。

  • クレジット表記:二次配布や本の装丁を除き、クレジット表記は必須ではありません。ただし運営・フォトグラファーへの配慮として表記が推奨されています。
  • 二次配布時の条件:テンプレート等での二次配布は、クレジット表記やリンク挿入等の条件付きで利用できます。第三者が利用可能な状態で配布する場合は、別途規約への同意取得が必要です。
  • 不正利用時の請求額:不正利用の使用料金として、素材1枚あたり3万円/日(上限30万円)を請求する旨が規約に明記されています。他の2サイトに比べて具体的な金額が明示されている点が特徴です。
  • モデル写真の扱い:モデル名が素材ページに表記されているものは契約済みですが、表記がないものは契約がありません。モデルや所属事務所の評価を下げる使用、なりすまし利用等は禁止されています。
  • 企業ロゴ等の映り込み:商標・ロゴ・ユニフォーム等が映り込む素材は、該当箇所へのぼかし・トリミングが推奨されており、商用利用時はクライアント・スポンサーへの配慮が必要と明記されています。

フリー素材が向いている場面・自分で撮った写真を優先すべき場面

フリー素材が向いている場面
まだ店舗・商品写真を用意できていない段階

資金や撮影の手間をかけずに、トップページの背景やアイコン、汎用的なイメージ画像を素早く揃えたい場合に向いています。開業直後でまだ十分な写真素材がない時期の「つなぎ」としても有効です。

自分で撮った写真を優先すべき場面
実店舗の雰囲気やスタッフの人柄を伝えたい業種

飲食店・美容室・士業など、実店舗の様子やスタッフの人柄、商品の実物を見せて信頼を得たい業種では、フリー素材だけに頼ると他社サイトと似た画像になり、独自性が失われます。肖像権・商標の注意点をおさえた上で、自分で撮った写真を中心に構成することをおすすめします。

自分で撮った写真でも注意が必要なケース

「自分で撮った写真だから著作権の心配はない」と考えがちですが、著作権とは別に、以下のような注意点があります。

1
店舗内の商標・ロゴ・ポスター等の映り込み

店内を撮影した写真に、他社の商標やロゴ、ポスター等がはっきり判読できる形で写り込んでいる場合、広告としての使い方によっては問題になり得ます。判読できる企業ロゴ等が写り込んだ場合は、ぼかしやトリミングを検討しましょう。

2
スタッフ・来店客の肖像権

顔が判別できる形でスタッフや来店客の写真をホームページに公開する場合は、事前に本人の同意を得ることが基本です。同意なく公開すると、肖像権侵害としてトラブルになる可能性があります。

3
退職したスタッフの写真

在籍中に同意を得て掲載していた写真でも、退職後は本人の意向を改めて確認し、削除の要望があれば速やかに対応しましょう。掲載を続けたままにしていると、後からトラブルになるケースがあります。

4
SNS投稿からホームページへの転載

来店客が撮影してSNSに投稿してくれた写真を、そのままホームページに転載するのは注意が必要です。SNSの利用規約上は問題なくても、写真の著作権は撮影者本人に帰属したままのため、ホームページへの転載には改めて撮影者の許可を取りましょう。

実際にあった著作権トラブル事例

フリー素材だと思い込んで使った結果、トラブルになったケースもあります。ここで紹介する事例は、裁判所公式サイトで公開されている判決文原本(一次資料、2026年9月5日確認)に基づいて紹介します。

東京地裁 平成27年4月15日判決(事件番号: 平成26年(ワ)第24391号、確認日: 2026年9月5日)

被告(弁護士法人)は、運営するウェブサイトに写真の著作権者らの写真6点を無断で掲載していました。担当者はフリーサイトから入手した写真だと信じていたと主張しましたが、東京地裁は「識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきことは、著作権等を侵害する可能性がある以上当然である」という考え方を示し、損害賠償の支払いを命じたと判断されています。認容額は、写真の著作権者である株式会社アマナイメージズに19万6,400円、他の写真の著作権者・著作者である個人3名分を含めた合計で28万3,200円でした。

この事例からうかがえる実務上の教訓は、「フリー素材だと思っていた」という主張だけでは責任を免れられるとは限らない、という点です。ダウンロード元のサイトが本当に無料で使える素材を提供しているのか、規約上どこまで許諾されているのかを確認しないまま使うと、後から高額な請求につながるリスクがあります。素材をダウンロードした際は、入手元のURLやダウンロード日、規約のスクリーンショットなどを保存しておくと、万が一問い合わせがあった際の説明材料になります。

著作権法から見た引用のルール

他サイトの文章や画像を「引用」として使いたい場合、著作権法には以下のような条文があります(e-Gov法令検索、2026年9月5日確認)。

著作権法 第32条(引用)

「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」

著作権法 第48条(出所の明示)

第32条の規定により著作物を複製・利用する場合等には、著作物の出所を、複製または利用の態様に応じて合理的と認められる方法・程度により明示しなければならないと定められています。

条文を踏まえると、引用が認められるためには、①すでに公表されている著作物であること、②報道・批評・研究等、正当な目的の範囲内であること、③自分の文章が主体で引用部分が従属的な位置づけであること、④出典を明示すること、が一般的に求められると考えられています。ただし、個別のケースが引用の要件を満たすかどうかの最終判断は、実際の使い方によって変わります。本記事は法的助言を目的としたものではないため、判断に迷う場合は弁護士等の専門家に確認することをおすすめします。

AIで生成した画像にも同じルールが使える?

AI画像生成ツールで作成した画像は、本記事で紹介したフリー素材サイトの規約とは別に、生成AIサービス自体の利用規約や、生成物の著作権の考え方(商用利用可否、実在の人物・キャラクターに似た画像が生成された場合のリスク等)を確認する必要があります。論点がフリー素材サイトの規約や自分で撮った写真の注意点とは異なるため、本記事のスコープには含めていません。AI生成画像の著作権・利用規約については、別記事で改めて取り上げる予定です。

画像の入手元を後からたどれる管理表

素材を使うときは、無料かどうかに加え、その使い方が許諾されているかを確認します。以下は社内で残す記録の提案です。

確認項目 確認・記録する内容
素材 元の素材ページURL・ファイル名・取得日
利用条件 規約URL・確認日・商用利用や加工の条件
掲載先 使用するページ・SNS・広告などの用途
被写体 人物や第三者の権利に関する確認事項
引き継ぎ 確認担当者・問い合わせ履歴・使用終了時の対応

CC0も商標やプライバシーなどの権利を消すものではありません。「フリー」という表示だけで判断せず、Creative Commonsの公式説明も確認してください。利用目的が変わるときは、記録を見直して再確認します。

よくある質問

フリー素材と著作権フリーは何が違いますか?

「フリー素材」は無料で使える素材という意味に過ぎず、著作権自体が放棄されているとは限りません。多くの場合、著作権者は著作権を保持したまま、規約の範囲内での無料利用を許諾しているだけです。「著作権フリー」は表示だけで利用条件を判断せず、具体的なライセンスを確認します。CC0も、商標やプライバシーなど他の権利までなくすものではありません。

自分で撮った写真なら著作権の心配はいりませんか?

自分で撮影した場合も、職務著作など権利の帰属に関わる事情や、写り込んだ著作物の扱いを確認します。写真に写り込んだ他社の商標・ロゴや、写っている人物の肖像権など、著作権とは別の注意点があります。本記事の「自分で撮った写真でも注意が必要なケース」で具体的に紹介しています。

お客様やスタッフが写り込んだ写真をそのまま使ってもいいですか?

顔が判別できる形で公開する場合は、事前に本人の同意を得ることが基本です。同意を得ずに公開すると、肖像権侵害としてトラブルになる可能性があります。スタッフが退職した場合も、掲載を続けてよいか改めて確認しましょう。

SNSに投稿した写真を後からホームページに転載してもいいですか?

自分で撮影した写真でも、被写体の権利や同意の範囲などを確認します。来店客など第三者が撮影してSNSに投稿した写真の場合は注意が必要です。SNSの利用規約上は問題なくても、写真の著作権は撮影者本人に帰属したままのため、ホームページへの転載には改めて撮影者本人の許可を取ることをおすすめします。

AIで生成した画像にも同じルールが使えますか?

AI生成画像は、フリー素材サイトの規約や自分で撮った写真の注意点とは異なる論点(生成AIサービス自体の利用規約、生成物の著作権の考え方等)があるため、本記事では扱っていません。AI生成画像の著作権については別記事で改めて取り上げる予定です。

まとめ
使う前に「規約」と「写っているもの」を確認する

フリー素材サイトを使うときは、商用利用可否・クレジット表記の要否・禁止事項の3点を必ず確認しましょう。自分で撮った写真を使うときは、商標・ロゴの映り込みと、人物が写っている場合の肖像権に注意してください。どちらの場合も、入手元・撮影日・同意の有無を記録しておくと、万が一のトラブル時に説明しやすくなります。

参照した情報

  • いらすとや 利用規約(https://www.irasutoya.com/p/terms.html) 確認日: 2026年9月5日
  • 写真AC 利用規約(https://www.photo-ac.com/main/terms) 確認日: 2026年9月5日
  • ぱくたそ ご利用について(https://www.pakutaso.com/userpolicy.html) 確認日: 2026年9月5日(規約本文の最終更新日: 2026年8月27日)
  • 著作権法 第32条・第48条(e-Gov法令検索、https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048) 確認日: 2026年9月5日
  • 東京地方裁判所 平成27年4月15日判決(平成26年(ワ)第24391号)判決文原本PDF(裁判所公式サイト、https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-85082.pdf) 確認日: 2026年9月5日

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