ネームサーバーとDNSは同じ意味のように使われることがありますが、厳密には役割が異なります。DNSはドメイン名とIPアドレスなどの情報を対応付ける仕組み全体で、ネームサーバーはそのDNS情報を問い合わせに応じて返すサーバーです。
まず押さえる3点
- DNSは名前解決の仕組み全体
- ネームサーバーはDNS情報を提供するサーバー
- ネームサーバー変更ではWebだけでなくメール設定も確認する
1.DNSとは何か
DNSは、example.comのようなドメイン名を、WebサーバーのIPアドレスなどへ対応付ける仕組みです。Webサイトだけでなくメール配送や各種認証にも利用されます。
2.ネームサーバーとは何か
ネームサーバーは、そのドメインについてどのDNS情報を使うかを案内する役割を持ちます。ドメイン管理会社の画面で「ネームサーバー変更」を行うと、DNS情報を管理する場所そのものが変わる場合があります。
3.A・AAAA・CNAME・MX・TXTの違い
DNS管理画面では複数種類のレコードが並びます。大切なのは名前を暗記することではなく、ホームページ・メール・認証のどこに影響する設定かを分けて考えることです。
DNS RECORD MAP
IPアドレスへつなぐ
別のドメイン名を参照する
メール配送先を指定する
確認・認証用の文字列など
| レコード | 主な役割 | 初心者が見る場面 |
|---|---|---|
| A | ドメイン名をIPv4アドレスへ対応させる | Webサーバー変更など |
| AAAA | ドメイン名をIPv6アドレスへ対応させる | IPv6の指定があるとき |
| CNAME | 別のドメイン名を参照する | 外部サービス・サブドメイン設定 |
| MX | メール配送先を指定する | メールサービス設定・移行 |
| TXT | 文字列情報を登録する | 所有確認・メール認証など |
A / AAAAはWebの接続先で見かける
AレコードはIPv4、AAAAレコードはIPv6のアドレスへドメイン名を対応させるときに使います。サーバー会社から指定された値を確認し、見よう見まねで不要なレコードを追加しないようにします。
CNAMEはIPではなく別のドメイン名を参照する
CNAMEは別のドメイン名を参照させるためのレコードです。Google Cloudの公式資料でも、A・AAAAでは値がIPアドレス、CNAMEではドメイン名になる違いが示されています。Google Cloud:Mapping custom domains
同じ名前にAレコードとCNAMEを競合させるなど、組み合わせによってはエラーになる場合があります。既存設定を消してよいか分からない場合は、利用サービスの手順を確認します。
MXはメール、TXTは確認・認証で使われる
MXは主にメールの配送先を指定します。TXTは文字列情報を登録するためのレコードで、ドメイン所有確認やメール認証などで指定されることがあります。Google CloudのDNS資料でも、MXはメールサーバーへのルーティングに使われるレコードとして説明されています。Google Cloud:Records format
Google Cloudの公式資料では、DNSでA、AAAA、CNAME、MX、TXTなど複数種類のレコードが扱われることが確認できます。Google Cloud:DNS records overview
4.ネームサーバー変更が大きな変更になる理由
ネームサーバーを変更すると、Web用A/CNAMEだけでなく、MXやTXTなども新しいDNS側で必要になることがあります。旧DNSにしか存在しないメール設定を引き継がないと、ホームページは表示できてもメールだけ止まる可能性があります。
ホームページ移転・ドメイン変更のチェックリストも確認してください。
これから独自ドメインを新規取得する段階なら、お名前.comで独自ドメインを取得する手順もあわせて確認できます。
5.DNSレコードだけ変更する場合
ネームサーバーを変えず、現在のDNS管理画面でAレコードやCNAMEだけ変更するケースもあります。この場合はDNS管理元そのものは変わりません。何を変更したのか記録しておくことが重要です。
変更前チェックリスト
- 現在のネームサーバーを記録する
- A・CNAME・MX・TXTなど必要なレコードを控える
- メールを独自ドメインで使っているか確認する
- 切替日時を記録する
- 変更後にWebとメールを別々に確認する
変更後にホームページが見えない場合は、DNS変更後の確認手順も役立ちます。
変更前に『どこを触る作業か』を見分ける
Webサイトの接続先だけ変えたいならA/CNAMEなどのDNSレコード、DNS管理先そのものを変えるならネームサーバー、メール配送先を変えるならMXが中心になります。名称が似ていても影響範囲が異なるため、目的と変更対象を1対1で確認してから操作すると、Webは直ったのにメールだけ止まるといった事故を減らせます。
DNS変更記録を残してから操作する
| 記録項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更前 | ネームサーバー、A/CNAME、MX、TXTの値 |
| 変更目的 | Web移転・メール移転・認証設定など |
| 変更日時 | 実際に保存した日時 |
| 確認結果 | Web表示・メール送受信・SSL |
設定値のスクリーンショットやテキスト控えがあると、反映待ちなのか設定ミスなのかを切り分けやすく、必要なら元へ戻す判断もしやすくなります。
目的別|実際にどの設定を見るか
| やりたいこと | 最初に確認する設定 | 追加確認 |
|---|---|---|
| Webサーバーだけ変更 | A・AAAA・CNAME | SSL、www有無 |
| DNS管理会社を変更 | ネームサーバー | 旧DNSの全レコード引継ぎ |
| メールサービスを変更 | MX | SPF・DKIM・DMARCなどTXT |
| サービス所有権を認証 | TXTやCNAME | 指定値を正確に登録 |
たとえばWebサーバーだけを移す作業で、必ずしもネームサーバー変更が必要とは限りません。逆にネームサーバーを変更する場合は、Web以外のレコードも新しいDNS側へ引き継ぐ必要がないか確認します。
変更後の確認はWeb・メール・認証を分ける
- トップページと主要URLが意図したサーバーから表示されるか確認する
- 独自ドメインメールを外部アドレスとの送受信で確認する
- SSL証明書とwww有無を確認する
- Search ConsoleなどTXT/CNAME認証を使うサービスが継続しているか確認する
DNS変更はホームページだけの作業と考えず、そのドメインで利用している機能を一覧化して確認するのが安全です。
wwwあり・なしをどちらへ統一するか迷っている場合は、wwwあり・なしの違いとURL統一の確認手順もあわせて確認してください。
やらない方がよいこと
- 現在のDNSレコードを控えずネームサーバーを変更する
- 反映しないからと短時間に何度も設定を変える
- Web表示だけ確認してメール確認を省く
DNSやネームサーバーの位置づけを含めてドメイン全体を整理したい場合は独自ドメインの初心者ガイドへ、サーバー側の役割や契約後の運用まで整理したい場合はレンタルサーバーの初心者ガイドへ戻れます。
よくある質問
ネームサーバーを変えればAレコードも自動で移りますか?
必ずではありません。新しいDNSサービス側へ必要なレコードを設定する必要がある場合があります。契約先の案内を確認してください。
DNS変更はすぐ反映しますか?
TTLや各DNSリゾルバのキャッシュ状態によって見え方が変わる場合があります。固定時間で断定せず、設定値と到達先を確認します。

